名物 岩茸
宿の名物に岩茸というものがあります。これは、地衣類になっており、標高800m~2000mまでの高山帯の断崖絶壁の岩場にあります。特に濃い濃霧が発生するような乱気流の場所を好んで生息しており、岩場の亀裂に群れております。私は、岩茸採りを20年以上おこなっておりますので、岩茸がありそうな岩場を見つけると、そこに行って、ロープをはって、岩場の亀裂から降りていき、岩茸を採っております。この作業は、一度間違えただけで、命取りになるような作業ですが、危険なことが大好きなので、毎年、採りに行っております。
岩茸の成長は、1年に1mmくらいしか大きくなりません。手のひらサイズの大きさの岩茸で100年は経っていると思われます。養分としているものは、高山帯の岩場の腐葉土・濃霧等を吸収して成長しております。岩場に吸着している面は、黒くてザラザラしており、岩場に張り付くような感じになっております。反対側の面は、茶褐色になっており、岩砂・腐葉土・コケ等が付着しております。晴れていると丸まっており、雨が降ってくると、水分を吸収し大きくなってぶらさがっております。これを繰り返して成長をしております。
イワタケの成分には食物繊維が豊富に含まれており、昔から栄養価の高い食材として扱われてきました。また、グルカンを多く含み、腸内の免疫細胞にダイレクトに働きかけてくれる食物繊維になります。免疫機能を司る器官をサポートするといった働きがあるため、岩茸を食べることで免疫機能を高めてくれるといわれています。私は、定期的に岩茸を調理して食べておりますので、おかげさまで健康で生活しております。
岩茸は、岩茸寿司にして食べたり、天ぷらや和え物にして食べても美味しいです。食感が良く、どんな料理にもあうような食材になっております。こちらに来た時には、是非、お召し上がりください。
すぐに崩れてきそうな岩場に岩茸はあります。この岩場全体を見てから、ロープをはって降りていきます。
岩茸寿司です。一度、ダシ汁で煮てから、三杯酢につけておきます。そしてお寿司にしていただきます。わさび味とショウガ味になっていますが、どちらも美味しいです。
岩茸の天ぷらです。天つゆにつけていただくと、サクサクとした食感がやみつきになります。くせもないので、お子様でも食べられます。